職場でモラハラに遭遇してしまい、それを理由に転職しようとした際、転職先にどのように伝えれば良いであろうか。最も良いのは職場でハラスメントに遭ったことには触れずに、転職することで転職先に利益があり、更には自分のキャリアアップにつながることを明示して伝えるようにすることだ。

 しかしながら、転職理由の根底にモラハラに遭ったことがある以上、それを伝えないことに引け目を感じたり、正直な性格から上手く取り繕うことができないような場合もあるかもしれない。そのような場合には、いっそ前の職場でハラスメントに遭ったことを伝えてしまうのも一つの手段だ。マイナスな理由は転職先から悪い印象を持たれて逆効果と感じる人も多いかもしれないが、要は話し様で悪い印象を与えないばかりか、上手く伝えることができれば好印象にも転換することが可能である。

 例えば、「以前の職場では営業に対する社内の意識があまり高くなく、自分の力量が上手く発揮できないばかりか、モラハラまで発生していたが、御社のコンプライアンスは万全で社内の気運も高く、力を十分に発揮して会社に大きな利益をもたらすことができる」と告げるのはどうだろう。「この人材は転職前に何らかのハラスメントに遭遇していたようだが、それを覆して状況を改善させるだけの気概にあふれている」と判断され、転職の成功に結びつけることができる。ポイントは、ハラスメントというマイナス要因を示しつつも、センテンスの締めを転職先の利益に結びつけるようなプラスの展望にすることである。