セクハラやパワハラと合わせて、最近よく耳にする様になったのがモラハラだ。これはモラル・ハラスメントの略で、精神的な暴力や嫌がらせを意味する。肉体的な暴力は顕在化しやすいが、陰湿な態度や言葉により精神的に相手を追い詰める暴力行為は、周囲からは認識しづらく潜在的に継続し易いのも特徴である。

パワハラとモラハラは同じ様に捉えられるが、被害者と加害者の関係性において決定的な違いがある。前者は仕事上の力関係を前提としており、その事例は上司から部下に行われることが殆どである。しかし後者は、部下から上司、同僚から同僚、後輩から先輩など、一見すると仕事上の力関係が存在しない様な場合でも起こりうる。

実際に職場で起こった最も顕著な事例としては、被害者を職場で孤立させるというものが挙げられる。無視や仲間外れにする、陰で誹謗中傷する、嘲笑したり冷たい視線を送る、などといった子供がするイジメの様な行為を行うのである。それ以外にも、意図的に情報を隠す、能力以下の単純な作業ばかりを押し付けるといった方法で仕事をさせない様にしたり、過度にプライベートに介入するといった事例がある。

また被害に合う人はその様な行為に対して憤りを感じるのではなく、自身が不甲斐ないと罪悪感を感じる傾向が強く、精神的なダメージを溜め込み易いため、メンタルヘルスの不調から最悪の場合うつ病を発症するケースも少なくない。自分がこの様な状況に遭遇したら、1人で悩まずに周囲や家族などに相談するべきである。また、健康を損なう前にその状況から逃げ出す勇気を持つことも重要だ。職場を変えるなど、転職がモラハラへの対策になることをよく知っておく必要があるだろう。

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